郵便局のみまもりサービスである「みまもり訪問サービス」は、離れて暮らす親に郵便局社員が
会いに行き、生活状況を聞き取り報告するサービス。相手が“郵便局の人”だから、高齢の親御さんも
安心して迎えることができる。訪問先ではどんな会話が交わされるのか。相模原郵便局の訪問に同行した。
郵便局のみまもりサービスには、月1回、郵便局の社員が利用者宅を訪問する「みまもり訪問サービス」(月額2500円・税抜き)と、毎日決まった時間に自動音声が電話をかける「みまもりでんわサービス」(固定電話コース月額980円・税抜き)がある。
世間話からさりげなく
生活状況を聞き取る
(下)岡本さん宅到着。訪問は基本的に1人で行うが、今回は2人で訪問
「みまもり訪問サービス」を契約すると、社員が10項目の質問を通じて生活状況を聞き取り、利用者の家族などへメールに添付したPDFファイルで報告する。付帯サービスとして健康・医療・介護に関する相談に、看護師らの専門スタッフが、電話で応える「24時間健康相談」も無料で利用できる。
「こんにちは」。相模原郵便局の黒川健司総務部長と西埜活子氏が約束の時間にインターホンを押すと、岡本いわさん(71歳)が笑顔で出迎えた。
「楽しみに待っていたの。さあ、上がって」
西洋朝顔が咲く広い庭が見渡せる洋間に案内された黒川部長と西埜氏はあいさつもそこそこに、「何か変わったことはありましたか? 怪しげな人が来ませんでしたか?」と切り出した。実は前回の訪問時、町内をうろつく不審人物がいるという話を聞いて、ずっと気になっていたからだ。「あれから見なくなりました。事件も起こらなかったみたい」という答えに一安心。しばらくは、世間話に花が咲く。
やがて西埜氏がタブレットと質問票を取り出した。質問は「最近体調はいかがですか?」「最近、食事は規則的にとっていますか?」というような基本的な7問と、「持病の状況はいかがですか?」といった契約者が選べる3問の10問から成る。一問一答というような堅苦しいものではない。雑談や冗談を交えながら、岡本さんは「大丈夫よ」「元気、元気」と答えていく。「あ、でも膝がちょっと痛くて、しゃがむのがきつい」。気になる答えがあると、西埜氏が原因や不便に感じていることを丁寧に聞き取る。状況によっては家族に詳しく伝えなければならないからだ。