ICタグで「持ち出し・返却」を一元管理する
ソリューション
その同社が近年力を入れているのが、自社開発のソリューション事業である。主力製品は、持ち出し・返却を管理する「TAGMATCH(タグマッチ)」というパッケージだ。
まず、管理対象となる書類などにRFID(UHF帯)対応のICタグを貼り付け、個人用IDカードで認証を行い、ICタグをタグリーダーで読み込んで、持ち出し・返却登録をする。すると、オフィス内で「誰が? いつ? 何を?」持ち出し・返却したのかが、リアルタイムで一元管理できる。ハンディリーダーを組み合わせると、複数のICタグを一括で読み取れるため、例えば棚卸しなどの作業も大幅に効率化できる。
「サーバーに入れておくと、ハッカーに侵入されるリスクがあり、それを避けるため、重要なデータは紙ベースで管理している企業が意外と多いのです。その場合、重要な書類を誰が持ち出したのか、履歴が残らないとトラブルになってしまう。TAGMATCHは履歴が全部残るため、不正持ち出しを発見できるのです」(吉川社長)
同製品の利点は、ICタグを貼るだけで、あらゆるモノを管理できる点にある。書類やファイル、備品やパソコンログインカード、資材や制服など。ゲート検知をフロアごとに付ければ、フロア間の管理も可能になる。新しいセキュリティーシステムとして大変注目されているのだ。同社では、キャビネットからの持ち出し・返却を管理する「CABIMATCH(キャビマッチ)」も並行して販売。機密データを大量に持つ金融機関や官公庁をはじめ、今後はアパレル業界や食品業界など、在庫を抱える流通業への拡販も見据えている。