成果を出しつつある
第1期のSIPプログラム
SIPは2014年度から第1期がスタートした。期間は5年間。第1期では計11の課題が設定され、課題ごとにPDが選定されて各プログラムを推進した。
成果としては、例えば“自動走行システム”のプログラムがある。安全で自由な移動を自動走行と高度インフラの構築で実現しようというもので、具体的には自動車専用道路での自動走行システムを実現するため「ダイナミックマップ」の構築に取り組んだ。このプログラムには、複数の測量・地図会社や国内自動車メーカーが出資して事業会社を設立し、関東地方などの公道で実証実験を実施するまでに至った。
「自動走行システムの開発には、規制や制度改革を含めて、警察庁や総務省、経済産業省、国土交通省などが関わってきます。さらに最先端の技術を導入するためには、測量・地図会社や自動車メーカーなど、普段は競争している企業同士の協力が必要になる。このプログラムは、まさにSIPの特徴を発揮して、関係省庁や競合する民間企業の研究者を巻き込み、基礎から応用、社会実装の近くまで進んだモデルケースになっています」(橋本氏)
自動走行のシステムが完成すれば、世界標準にもなり得る可能性がある。まさに、日本経済を再生させる科学技術のイノベーションの創造が行われているのだ。