「住宅産業は人間産業」
人間性を高める社員教育で躍進

日本ハウスホールディングス(以下、日本ハウスHD)の家は、高級建築素材「檜」と、顧客に対する「感謝」でできている。日本伝統の木造軸組工法に独自開発の最新技術を融合した同社の「檜の家」は家が存続している限り、「感謝訪問」と呼ぶ訪問活動を行い、顧客の期待に応え続けることを企業理念の一つに据えている。東証1部上場企業の日本ハウスHDとは、どのような会社なのか、成田和幸社長に聞いた。

「住宅産業は人間産業」人間性を高める社員教育で躍進日本ハウスホールディングス
成田和幸
グループCEO兼代表取締役社長

 日本ハウスHDの前身・東日本ハウスは1969年、岩手県盛岡市に設立された。創業精神は「学歴不問・実力主義」。その精神は従業員に対して、決して数を売ることを求めているわけではないと成田和幸社長は説明する。「なぜなら住宅産業は、知識、学力よりも人間性が求められ、問われる人間産業だからです」。

顧客への感謝の気持ちを表す
「感謝訪問」

 顧客が「住宅産業は人間産業」をはっきり実感するのは、家が完成した後だ。木造住宅の標準保証期間は20年。ハウスメーカーにより延長保証が適用されるが、日本ハウスHDの檜の家は60年の長期保証(商品により35年)を適用し、以降も家がある限り、毎年の訪問を欠かさない。

「それを当社では感謝訪問(ホームドクターシステム)と呼んでいます。営業担当者と施工業者が3人1組になってお客さまの元へ伺い、ご不便があればその場で直します」と成田社長。

 感謝訪問の履歴は本社のコンピューターに登録されており、担当者が代わっても「縁」が切れることはない。

 なぜそこまでするのか。理由は明快、企業理念に定められているからだ。

・社会に貢献するグループ企業集団となる
・報恩感謝の心で行動するグループ企業集団となる
・物心両面の幸福を追求するグループ企業集団となる

 三つの企業理念のうち、「報恩感謝の心で行動する」の報恩とは、六恩、すなわちお客さま、父母、働く仲間、業者会、株主、社会に報いることを指す。感謝訪問はお客さまへの報恩、父母の報恩は毎年4月の「親孝行月間」で実践する。

 また、春と秋には成績優秀な社員を対象にした表彰式を行い、家族と共にディナーショーに招待する。表彰制度を含め同社には、感謝の心を育て、やる気を引き出す仕組みが多数用意されている。

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