ユーザーにすれば「0円スマホ」は一見お得に思える。が、その分の多くは通信料金に上乗せされている。2年ごとにスマホを乗り換える顧客の端末代金を、長く端末を使い続けるユーザーが割高な通信料金を払って賄っているとも解釈できる。何よりも、こうした料金システムでは、通信料金と端末代金の構造が複雑化して分かりにくくなる。

 ただ、規制をすり抜けて生き永らえる0円スマホは、過渡期の産物。今後はいよいよ見つけにくくなるだろう。携帯料金で、端末販売と通信契約を切り離す「分離プラン」が導入され始めているからだ(下図参照)。

0円端末が消え通信料と端末代の分離が進む

 なぜ、0円端末が消えて分離プランにシフトするのか。

 総務省は通信料金抑制と料金システムの不公平感解消を狙って0円端末を厳しく規制してきたが、規制後も通信料金が高止まりしたままでは、端末代金だけが高くなり、トータルの料金が上昇してしまう。負担が重くなるユーザーからは端末値引きのニーズが依然として強いままで、販売現場は、規制をすり抜けながら実質0円など割引を続けざるを得なくなった。

次のページ

分離プランで端末値引より通信料勝負へ

あの料金の裏側を徹底解明!
家計「大」改革マニュアル

週刊ダイヤモンド1月19日号表紙

『週刊ダイヤモンド』1月19日号の第1特集は、「経済記者がガチで教える 家計リストラの新常識」です。

 昭和時代、人々は「所有」することに価値を見いだし、家計をやりくりして“夢”のマイホームやマイカーを手に入れました。平成が終わる今、時代も価値観も変わり、消費スタイルは「所有」から「利用」への転換が始まっています。

 また、インフラ産業や公共システムの構造や環境が変わり、家計の支出に影響を与えています。

 2人以上世帯(勤労者世帯)の家計を見ると、2000年に比べて17年の月間支出額は全体で減少している。にもかかわらず、通信費、電気代、上下水道料、健康保険料などは2ケタ増となっています。

 これらはリストラできるのでしょうか。

 通信費や電気代はその大本命。携帯電話事業、電力小売り事業共に大きな転換期にあり、大手と新規参入勢が顧客争奪、価格競争を繰り広げているからです。

 水道料や健康保険料は、リストラどころか今後も値上げ必至。利用者が提供者を自由に選べないので回避するすべはありません。ここへの負担に備えるためにも、他をリストラしておく必要があります。

 本特集では記者が自らの価値観や生活もあらわに家計と向き合い、料金の裏側に迫りました。

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 臼井真粧美)

TOP