機械学習の徹底強化で
パートナー企業のマーケティングを支援
ソニーネットワークコミュニケーションズは、ソニーグループの中でもネットワーク関連の新規事業やインキュベーション(企業支援)などにも取り組む企業だ。
IoT事業部は、スマートホーム、AI、LPWA(省電力広域)無線技術などの事業を行っており、「BeautyExplorer™」をはじめとするヘルスケア事業も大きな柱の1つである。
「高齢化の進行とともに人々の健康長寿に対する意識はますます高まっていますが、急速な技術革新によって、そのニーズに応えるさまざまなソリューションを提供できる環境が整ってきました。そこで2018年7月、IoT事業部門内で個別に研究・開発していたヘルスケアの製品・サービスを集約して新組織を立ち上げました。現在、『美容/ヘルスケア』『健診/オンライン・トレーニング』『食事解析API/睡眠』の3つの領域で事業を展開しています」と木下部長は説明する。
「健診/オンライン・トレーニング」の領域では、センサーやタグなどのIoTデバイスを使用して日常の活動記録と体力測定を行い、最適なトレーニングメニューを提案する健康管理プラットフォーム「FAIT」を開発。地方自治体が住民への健康診断サービスの1つとして導入するケースが増えているという。
「食事解析API/睡眠」では、スマートフォンで撮影した食事を画像解析し、カロリーなどをアドバイスするバックエンド・システムAPIを開発。生命保険会社や食品メーカーなどに提供している。
このように、同社のヘルスケア事業はいずれの領域もBtoBを主体としている。ソニーと言えば、カメラやスマートフォン、テレビなどのコンシューマー向け製品を思い浮かべることが多いと思うが、「ヘルスケア事業については、エンドユーザーとの接点が多い法人と長期的なパートナーシップを構築し、思いを共有しながら一緒に成長していくのが理想的な展開だと考えています。当社の技術によって、法人のお客さまが持つ顧客データをより有効に活用し、マーケティングを強化するといった協業が可能です」と木下部長は語る。
そのための取り組みとして、現在、同社が進めているのは機械学習の徹底強化だ。
「肌や食事を解析するアルゴリズムの精度を高める一方、肌データと関連しそうな指標との相関関係を見て、面白い結果が出れば、因果関係まで検証できなくてもニュースなど外部に発信する取り組みを積極的に行っていきます。これによってエンドユーザーの関心が高まれば、マーケティングのチャンスが広がるはずです」
ヘルスケアの解析結果とエンドユーザーの購買動向、行動特性などを組み合わせて、「行動を促す・継続する仕掛け」の実現を目指しているという。
木下部長は、「今後も革新的なヘルスケアサービスを世の中に送り出していきます。ぜひ楽しみにしていてください」と語った。
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 https://iot.sonynetwork.co.jp/