時間外労働時間だけでなく、休日労働も含めた総時間での規制が導入される。複数月平均の管理は、従業員一人一人について、時間外労働と休日労働の合計時間数を基に2カ月平均、3カ月平均、4カ月平均、5カ月平均、6カ月平均を算出する。そのため、管理が複雑になることは必至だ。
しかも現状では、労務担当者だけでなく従業員自身も有休の取得状況や、時間外労働の時間数などを把握すらできていないケースも少なくない。しかし、企業が有休の取得状況や時間外労働の状況を可視化し、リアルタイムで把握できなければ、管理はもちろん、有休取得や時間外労働抑制を勧奨するなどの指導も難しい。
「有休取得については、例えば、(1)基準日を統一する、(2)計画的付与により一斉取得日を設ける、(3)半年など期間を区切って、その間に3日間取得する目標を決めるなどの対策が考えられます」(津吉氏)