リアルタイムな情報伝達手段として広く使われているTwitter(以下、ツイッター)だが、ビジネスで活用する際、実は強力な広告メディアでもある。しかも、グローバルで同社の広告ビジネスをリードしているのは日本市場だという。多くの日本企業から支持される背景には、メディアという側面以外にツイッターのプラットフォームとしての特性と日本の利用者の質と量の充実があった。
Twitter Japan
上級執行役員 広告事業本部長 兼
日本・東アジア事業開発本部長
SNSなどで通常の投稿と同じスタイルで流れてくるインフィード広告。ツイッターはこの広告を他社に先駆けて開始し、現在では同社の主力商品ともなっている。「もともと利用者にも広告主にもベネフィットを提供したい、という思いから始めました」とTwitter Japanの味澤将宏・上級執行役員は語る。その背景には、プラットフォームとしてのツイッターの特性が影響している。
ツイッターは、利用者が自ら記事を投稿する「ツイート」と、他の人の当該ツイートを広げる機能「リツイート」から主に構成されているが、その内容に特徴がある。多くのソーシャルメディアの投稿が「Look at me(私を見て)」であるのに対して、ツイッターは「Look at this(これを見て)」が多い。
つまりツイート自体が“ニュース”になっているのだ。調査によると「今起きていることがリアルタイムに分かる」「知りたい情報がすぐ知れる」などの理由からツイッターを利用する人が多いという(注1)。
ツイッターはリアルタイムな情報を探している人が利用することも多い。利用者もそれが分かっているから、人に知らせたい情報をツイートする。それを受け取った利用者は、他の人にも知らせようとリツイートする。こうして伝えたい情報が広がっていく。
ツイッターの情報伝達力は災害発生時でも証明済みだ。緊急通報の手段としてツイッターを取り入れる自治体も増えてきた。また、スポーツイベントではツイッター上で情報交換しながらスポーツ観戦で盛り上がるという瞬間的にバーチャルなコミュニティーまで出現するという。