購入時期をずらす
時間分散の重要性

 ただし、白根氏は一つだけクギを刺す。

「1投資地域(国)・通貨、2金融商品、3購入時期、4運用期間──といった四つの観点から分散投資を徹底することが大前提です。1と2については、国内および他の先進国の債券・株式という伝統的資産をポートフォリオのコア(中核)に据えて安定運用をベースとした上で、サテライト的に新興国の債券・株式やコモディティ(商品)、ヘッジファンドなどにも分散を図り、収益性の向上も図るといいでしょう。そして、特に重要なのが3で、まとまった資金があったとしても、あえて積立投資のコースを選択し、毎月定額ずつコツコツと投じていくのが肝心です」

 一度に資金を投入すると、そのタイミングが相場の天井で、途端に急落してすぐさま大損を被るというパターンもありがち。その点、自動引き落としで定額ずつ投資していけば、ドルコスト平均という効果が働き、相場が高い局面では少なめに買い付け、逆に安い局面では多めに買い付けて、平均の取得単価を抑えられる。

 しかも、相場の下落局面でも機械的に安い価格で着々と買い付けられていくのがミソである。その後、相場が上昇に転じた際に含み益の著しい拡大が期待できるのだ。

 資産運用の必要性を痛感したら、ただちにアクションを起こした上で、あえてコツコツ派を貫くことが成功の鉄則だと言えよう。