生産性向上や業務効率化など喫緊の課題を解決するツールとして今注目されている「IoT(Internet of Things)」。しかし、大企業に比べて中堅中小企業では、コストや知識などの問題から活用があまり進んでいないのが現状といえるだろう。そんな状況に新風を吹き込みそうなのが、アムニモが開発した産業用IoTサービス「amnimo sense beta(アムニモ センス ベータ) 以下、amnimo sense(アムニモ センス)」だ。特徴は、専門家でなくても簡単に使えるように、必要な機能がパッケージ化され、小さく安く始められること。担当者に開発コンセプトやサービス内容、利用方法などについて聞いた。
IoTの効果は知りつつも踏み出せない中堅中小企業
少子高齢化や人口減少に伴い、人手不足が深刻化する中、大企業のみならず、中堅中小企業においても生産性向上や業務効率化などが喫緊の課題となっている。『中小企業白書2018』によると、労働生産性(従業員一人あたりの付加価値額)は大企業で回復傾向にあるものの、中小企業は横ばいで推移。グラフのように、大企業と中小企業の労働生産性の格差は広がるばかりだ。今後、労働生産性を高め、稼ぐ力を強化していかなければ中小企業は生き残れないだろう。
こうした課題を解決するツールとして期待され導入企業が増えているのが、モノのインターネット化といわれる「IoT」だ。簡単にいうと、モノにデータを読み取るセンサーをつけ、取得した情報を通信ネットワークで収集して活用すること。センサーには温度や湿度、重量、圧力、電流、照度、振動、開閉などの変化を感知するさまざまな種類があり、非常に幅広い用途に利用できる。
製造現場では比較的早くから導入され、うまく活用する企業が増えている。例えば、工場の生産設備にセンサーをつけ、電流や振動などの変化を計測・分析することによって機器の不具合などを早期に発見できるようになり、ダウンタイムを減らすことが可能になる。データは部品の自動発注や在庫管理の高度化などにも利用されている。
製造業以外でも、物流や医療、建設・土木、農業、流通・サービス、交通機関、オフィスなど、その活用は広範囲にわたる。ただ、世界中でIoTへの関心が高まっているものの、その取り組みはまだ緒についたばかり。特定の産業に限らず、IoTでどんなデータを集め、どのように活用するか、そのアイデア次第で生産性を高め、新たな価値を生み出せる魅力を秘めている。
だが、大手企業に比べて中堅中小企業では活用が進んでいないのが現状。IoTの効果に興味はあってもハードルが高いと感じている企業は少なくないようだ。「IoTに投資するだけの余力がない」「自社の規模ではそれほど効果が期待できないのではないか」「プログラミングなどの専門知識がない」「セキュリティーが不安」といった声が聞かれる。
そうしたニーズに応え、手軽に始められる産業用IoTサービスとして開発されたのが横河電機の子会社、アムニモの「amnimo sense」だ。