30年でこれだけ変わった!ヘアスタイルで振り返る平成史

ロート製薬株式会社

同じ長髪でも昭和と違う
平成初期の清潔感ある“ロン毛”

平成初期には、きれいに整った”ロン毛”が流行。音楽シーンから派生したドレッドも登場

 90年代半ば以降、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件といった災害や不穏な出来事が相次いだ。「不安が漂う社会では、繊細さを感じさせるヘアスタイルが流行する傾向にあります」と、富田教授は言う。そんな平成初期を象徴する髪型と言えば、高視聴率のドラマに主演する人気俳優を発信源とした“ロン毛”である。

 「ヒッピー文化や学生運動で染まった昭和の長髪は、ワイルドな印象でしたが、平成の“ロン毛”はきれいに整えられて軽やか、清潔感もありました。もちろん、真似をしやすい髪型だったことも流行の理由でしょう」(富田教授)

 またこの頃、ロック音楽の1ジャンルに起因するファッション「グランジ」が流行。これは着古したネルシャツと穴の開いたジーンズといった組み合わせを代表例とするもの。「くすんだ色のグランジファッションには艶がある黒髪はあまり似合いません。そのため、髪の色を抜き、思い思いのカラーに染め上げるヘアスタイルや、チリチリにした髪を太くより合せた“ドレッドヘア”が広がりました」と、富田教授は説明する。

「男らしさ」がテーマの平成中期
“ソフトモヒカン”が人気に

バリアート(左)とソフトモヒカン(右)はアスリートが発信源

 景気が上向いてきた2000年代には、ナイーブさがあるヘアスタイルが流行した平成初期から一転、「男らしさ」を主張するヘアスタイルが目につくようになった。「髪やひげを整える“グルーミング”が広まったのも、この頃からです」と、富田教授は言う。

 例えば、坊主頭に稲妻などのさまざまな模様を入れる“バリアート”が、平成中期を象徴するヘアスタイルの一つ。日本では人気ダンス&ボーカルグループでこの髪型を知った人も少なくないだろう。

「バリアートは、海外ではバスケットボールの選手などが好んでいたヘアスタイル。俳優やミュージシャンの真似をしたいと考えるのは男女共通の傾向ですが、男性の場合、スポーツ選手も流行の起点になる傾向があります」(富田教授)

 00年代に世界大会などで活躍し、そのルックスで女性の視線を集めたイングランド代表選手のトレードマークであった“ソフトモヒカン”も大流行した。またこの頃は格闘技で世界王者となった選手の“ウルフカット”を真似する若者も数多く見られた。

平成後期に“ツーブロック”が復活
そして、令和のヘアスタイルとは?

平成後期には、くせ毛風スタイリングを加えたショートマッシュが人気を博した

 平成後期(2010年代)に入って、スマートフォンやSNSが普及。「いいね!」を求めて写真を投稿したり、海外のファッションリーダーの情報がより手軽に入手できるようになったこの頃、男性のヘアスタイルに再び変化が表れる。

 「垢抜けて、すっきりとしたヘアスタイルがもてはやされるようになりました。代表例は、全体的に整っていて清潔感がある“ショートマッシュ”。 毛先などに無造作な動きをつけた『ニュアンス系』や、サイドやバックをグラデーション上に刈り上げた『フェード系』などのバリエーションがあります」(富田教授)

清潔感のあるツーブロックが根強い人気でリバイバル

 では、これから始まる令和の時代、どんなヘアスタイルが流行るのだろうか?

 富田教授が注目するのは、清潔感がある “ツーブロック”。80年代に流行した”ツーブロック”は長めの髪と刈り上げの組み合わせが特徴だが、これをアレンジしたヘアスタイルがタレントや俳優たちの間では地道に人気が続いていた。筋トレやヘルシーな食事を生活に取り入れる健康志向の延長線上で、「スポーツ感もある”ツーブロック”の人気は続く」と、富田教授は見る。

 「ただし今季のコレクションでは、エレガントな装いや長めのスタイルが登場し、髪型も重めで襟足の長いウルフカットがリバイバルを見せています。清潔で健康的なヘアスタイルという基本は変わらないと思いますが、これを受けてツーブロックにも変化が加わっていくでしょう」(富田教授)

 SNSで活躍するインフルエンサーの存在など、流行の発信源もこれまで以上に多様化している。男性もヘアスタイルでより個性を表現していく時代になりそうだ。

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