B2B型運送ならではの“バッファー”と運賃をつなぐ
ダイナミックプライシング・ソリューションはAIをフル活用する。その前提となるのもAI活用によるトラック積載率の向上だ。
これはすでに2017年度に検証済みのもの。Watsonの画像認識で積載率を可視化し、それと物流リソースをマッチングさせることで、トラックに最適な荷物の配置ができるようになり、積載率は40%から60%へ向上を目指す。
セイノー情報サービス
知識ベース・ロボット推進室 石井哲治課長
知識ベース・ロボット推進室 石井哲治課長
それでも荷が出る時間や季節などにはばらつきが大きくリソースの活用効率を向上させるための大きな壁になっている。
今回、ダイナミックプライシング・ソリューションの構想を指揮したセイノー情報サービス知識ベース・ロボット推進室の石井哲治課長は、「ばらつきのある荷の出方を平準化するためには荷主に強力なインセンティブが必要で、それがダイナミックプライシング、つまり早期割引という経済的なインセンティブでした」と語る。
そもそも、「今日の注文を明日には届ける」というB2C型とは違い、B2B型では「指定日までに届いていればよい」という運送期間にバッファーがある。つまり荷主にすれば指定日に届くのであれば、出荷するのは今日でも明日でもよく、もし1日でも早く出荷すると運送費が安くなるのであれば、出荷予定を早めた方が得になる。これがダイナミックプライシング・ソリューションの着想だ。
「荷量が平準化すれば、現場で作業する人たちの負荷も平準化されますし、リソースの最大限の活用にも道が開けます」(石井課長)
そうしたビジネスモデルが果たして可能なのか。そこでまた活躍するのがAIなのだ。