ロート製薬は、2013年に加齢臭対策に焦点を当てたボディウォッシュ「デ・オウ」を発売。発売以来、着実にファンを増やし、男性ボディウォッシュ市場で5年累計売上No.1(※註1)となっている「デ・オウ」シリーズだが、19年3月に満を持してリニューアル発売に至った。そのマーケティング戦略と開発秘話に迫る。
男性の潜在的なニーズを捉え
競合に先駆けて市場を拡大
さっそうとした仕事ぶりが部下たちの羨望の的となっている課長や部長にも、実は人には言えない悩みがある。自宅に帰れば、妻や娘たちから「お父さん、臭い!」と言われたりするのである。加齢臭だ。
加齢臭対策に焦点を当てたロート製薬のボディウォッシュ「デ・オウ」は、企画担当者のそんな実体験が製品化の発端だった。13年の発売時、容器には「男のニオイ 徹底洗浄」と大きな文字で主張した。その直截さ、強烈なインパクトに社内の反響は大きく、男性消費者が抵抗感を覚えるのではないか、という危惧もあった。
しかし予想に反し、むしろストレートなメッセージが功を奏した。「発売後は想像を超える反響が相次ぎました。一言で言えば『男が欲しがっていたボディウォッシュがついに出た』というもの。リピートするお客様がしっかりとつきました」と、ブランドマーケティングを担当する墨田康男(ロート製薬 メディア&プロモーション部 副部長)は語る。
ロート製薬 メディア&プロモーション部 副部長
ロート製薬が15年に独自に行ったユーザー調査(※註2)では、使用感や香り、爽快なクール感などの総合満足度が86%を超え、「次回も購入する」と答えたユーザーも81%に上った。そんな人気を裏付けるように、デ・オウは競合製品を圧する勢いを保ち、男性ボディウォッシュ市場の売上No.1を5年累計で維持している。
「40代を中心にその前後の30代、50代含め幅広く使っていただいています」(墨田副部長)
「デ・オウ」を使用した消費者からの声には、「臭いがすっきりする」といった本人視点の声だけではなく、「家内からいい香りがするようになったと言われた」といった他人視点のものもあるという。
※註1 インテージSRIボディシャンプー(男性用)市場2013年10月~2018年9月累計販売金額
※註2 「現在使用のボディウォッシュ使用感についての満足度調査」2015年7月実施、n=417、ロート調べ