薄毛に直結も!?
すぐやめるべき夏の生活習慣
暑い夏は、薄毛が気になりだした人には悩ましい季節だ。帽子をかぶれば蒸れてさらに頭皮や毛髪に悪そうだし、汗をたくさんかいて何度も頭を洗ってよいものなのか迷うだろう。
夏の強い陽射しが頭部を直撃し、紫外線を受ける。小林さんは、「蒸れても帽子をかぶって毛髪や頭皮を紫外線から守るのは効果的です。しっかり夜に洗髪し、帽子も清潔に保つことで毛髪や頭皮を守ることができます」とアドバイスする。夏が猛暑・酷暑になる近年、「日傘男子」という言葉も聞くようになってきているが、日傘は暑さ対策だけではく、薄毛対策にもつながるのだ。
洗髪に関しては「頭皮に優しいシャンプー剤であれば1日に何度でも構いません。大切なのはいつ洗髪するかと、洗髪の方法です」と指摘する。洗髪はなんと言っても夜、就寝前に行うのがベストだ。頭皮も毛髪も睡眠時に再生されるので、その時間帯に清潔な状態にしておく。夏は特に、夜洗髪せずに“朝シャン”1回の人も多いが、1日の汗や汚れを頭皮に残したままでは、好んで不潔な状態を維持しているようなものなのだ。そして、前述の通り、ゴシゴシ洗って頭皮の油脂分を取り除きすぎてはいけないのだ。
さらに、夏の生活パターンでありがちなのが、クーラーの効いた部屋で、夜遅くまでゲームやテレビにふけってしまう生活習慣だ。一見、抜け毛や薄毛には関係ないように見えるが、これが大間違い。
クーラーの効いた部屋で長時間過ごしていると、当然ながら体は冷えてくる。体が冷えると、体温を維持しようと男性ホルモンの分泌が増え、それが脱毛のきっかけになりやすくなる。「実は汗かきの人ほど冷え性気味で、抜け毛や薄毛につながる厳しい状況にさらされていることになります」(小林さん)。
漢方の世界では「髪の毛は血の余り」と言われている。血には「血によって届けられる栄養」の意味もある。つまり、体内に十分な栄養が行き渡った後に毛髪に栄養が届くということだ。逆に言えば、栄養不足や健康状態が悪いときに、真っ先に切り捨てられてしまうのが毛髪だ。
夏の猛暑は体力を弱め、栄養は体の修復に優先的に使われて毛髪まで回ってこない。毛髪は紫外線でタメージを受けてもいる。秋になると抜け毛が多くなるのは、寿命が近い毛髪が天寿を全うできずに一斉に抜けてしまうからだ。
しかし、抜け毛や薄毛を「もうダメか」と諦めてしまう必要はない。小林さんも、「頭皮の乾燥を防いだり、生活習慣を整えることで髪がよみがえる可能性はあります」と語る。小林さんが指摘した毛髪に悪いケアや生活習慣に心当たりがある人は、それを改めることが第一歩だ。