JR東日本が国際事業展開に活用する
英語習得“やる気”アップの秘策

世界40カ国で実施
国内でも受験者数増

 TOEICⓇ Programは現在、世界160カ国、1万4000の企業・団体で採用されている。TOEIC Bridge Testを実施しているのは今のところ40カ国だが、中東のアラブ首長国連邦では、20年のドバイ国際博覧会をにらんで、同国道路交通庁がタクシーの運転手にTOEIC Bridge Testの受験を促進した結果、著しい効果があったという。また南米では、チリの職業訓練大学でスコアが卒業要件として使われ、ブラジルの高校ではクラス分けや英語学習の進捗を測定するために採用されている。日本では、17年度にTOEIC Bridge Testの受験者数が増加した。訪日外国人の急増やインバウンド産業の隆盛で、英語コミュニケーション能力への需要が高まったためであろう。

 TOEICⓇ Programの開発機関ETS(Educational Testing Service)のシェリー・パンチャズ統括責任者は、「TOEIC Bridge Testは、英語の運用能力を測るテストです。コミュニケーションで必要となる基本的な英文法や単語はもちろん出題されますが、設問の多くはいかに実際の場面でコミュニケーションが取れるかを評価するために設計されています」と語る。

SNS時代の
聞く・読む・話す・書く

 パンチャズ統括責任者は、「近年、英語を始めたばかりの初中級者レベルであっても、英語で発信する場面が増えているため、TOEIC Bridge Testでも“話す・書く”を含めた、英語4技能を測定してほしい、という声が多くありました。そこで、これまでの公平・公正さを維持しつつ、日常会話はもちろん、メールやSNS、ビデオ通話をはじめ、複数人での会話や、図表や写真を使ったやりとりなど、より実際の場面に即した英語能力を4技能で測定できるTOEIC Bridge Testsを開発しました」と説明する。

 東電所の石井次長は「4技能が測れるようになれば、より実践的な英語力を身に付けられるのではないかと期待しています」とほほ笑んだ。

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