「スマート経営」の発想が社会を変えていく
だが、「まだまだ本来の意味での人材活用には至っていない」と秋好社長は言う。
「すべての人にとって、業務は大きく3つに分けられます。自分にしかできない仕事が2割、自分がやった方が早い仕事が6割、誰にでもできる仕事が2割とある中で、現時点では最後の業務しか委託されていないように思っています。しかし、本当の意味で価値の高い仕事をするためには、いかに中間の6割を削減できるかが重要です。
戦略立案担当や広報、秘書、営業代行など、いまやフリーランサーの導入できない部署はありません。現在、アウトソースは困った際の手段のひとつでしかありませんが、今後は正社員も社外人材も関係なく、同じ業務に当たるパートナーとしてマッチングする日が訪れるはずです。私たちは『スマート経営』のリーディングカンパニーとして、雇用に対する考え方のアップデートを推進していきます」
スマート経営とは、同社が提唱する『最小限で最大限を生み出す』経営方針だ。こうした経営は、考え方をアップデートするだけで実現できると秋好社長は語る。
「当社では社員に加えて、エンジニアや営業代行、デザイナーなど800人のフリーランサーとチームを組んで進めています。また、カスタマーサポート部門のフリーランサーの中には海外に在住している者もいるため、問い合わせは無理なく24時間対応が可能です。企業によってはCFO(最高経営責任者)に社外人材を登用しているところもあります。
もはや、正社員でなければ実現できない業務など何もありません。社外人材を『チーム』や『仲間』として対等に迎え入れることができれば、その企業は明日にでも倍の規模へ拡大することができるのです」
大手企業をはじめ、社外人材の活用や複業を認める動きは日に日に高まっている。「正社員雇用」という形に頼らず、今ある人的リソース以上の成果を上げたいときに、フリーランスは十二分にその役目を果たしてくれることだろう。