2022年には「ボトルtoボトル」(使用済PETボトルをPETボトルとして再生すること)の割合を50%以上とし、30年までに90%にまで高める――。日本のコカ・コーラシステム(*1)は、18年1月に発表した容器に関する目標を前倒しにする先進的なビジョンを打ち出した。さらに、30年までには、サスティナブル素材(リサイクルPET樹脂または植物由来PET樹脂)の割合を100%とすることで、新たな化石燃料を使用しない容器の完全導入を目指すという。
日本のコカ・コーラシステムは、ザ コカ・コーラカンパニーが発表した「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」を目指すグローバルプランに基づき、2018年1月、日本独自の「容器の2030年ビジョン」を策定した。それは日本国内におけるプラスチック資源の循環利用を推し進める画期的な環境目標であったが、さらにこの7月、目標達成時期を前倒しすると発表した。それにより日本国内の優れた資源循環スキームとの連携をさらに深め、世界におけるプラスチック資源循環利用のモデルケースとなることを目指すという。
「ボトルtoボトル」の推進
ビジョンの (1)設計(Design)、(2)回収(Collect)、(3)パートナー(Partner)の三つの柱は変わらないが、目標は以下のように更新された。
(1)設計(Design)に関しては、リサイクルしやすい容器の設計に変えると同時に、回収やリサイクルのインフラを整えていくことを掲げている。
特に重視しているのが、PETボトルを回収し、PETボトルとして再生する「ボトルtoボトル」と呼ばれる仕組みの推進だ。「ボトルtoボトル」の18年実績は約17%だが、30年には「ボトルtoボトル」の割合を90%に高めるという意欲的な取り組みである。
この他にも、25年までに国内で販売する全ての製品にリサイクル可能な容器を採用することを挙げている。PETボトルにはサスティナブル素材を使用し、30年までには、サスティナブル素材の割合を100%とすること、30年までに製品1本当りのPET樹脂の使用量を35%削減(04年比)することも目指す。