中堅企業に適した国産ERP(統合基幹業務システム)パッケージとして、1000社超に導入されている「GRANDIT」が今、さらなる進化を遂げている。
デジタルトランスフォーメーションに挑もうとする企業にとって、古くなった情報システムが重い足かせとなっている。GRANDIT社長の石川研一氏は、問題の深刻さを次のように指摘する。
「システムのサイロ化やブラックボックス化、人材不足などさまざまな事情から、既存の業務システムを将来にわたって使い続けるのが難しい企業が増えています。この問題の解決なしには、“攻めのIT”に取り組むことはできません」(石川氏)
企業が利用している業務システムは、過去にコスト削減や省力化の目的で個別に作られたものが大半である。
「各システムはサイロ化が進み、商品コードなど企業内で共通性の高いコード類やマスター類が統一されていないケースも見られます。このことが、社内のさまざまなデータを組み合わせて活用し、新たなビジネス価値を創出する上で、大きな妨げとなっているのです」(石川氏)
人材不足も悩ましい問題だ。企業が今、利用している基幹業務システムの企画・導入を主導したのは団塊の世代であり、その多くはすでに退職している。それ以降の世代には同様の経験や知識がなく、システムを刷新しようとしても、ノウハウが継承されていないのだ。
かつて導入されたERPシステムの多くがブラックボックス化していることも深刻な問題だ。わが国では2000年代初頭、大手企業を中心に海外製ERP製品の導入が進んだ。ただ、日本の商習慣や独自性の強い業態には標準で対応しておらず、そのギャップを埋めるために徹底したカスタマイズが施された。今日、それらの部分がブラックボックス化し、システムのバージョンアップや拡張を困難にしているのである。