海外製ERPから
移行する企業が増える
さらに、データ散在の問題も解消される。ERP導入を確実に成功させるには、各業務機能を段階的に導入するスモールスタート方式が望ましいが、通常のERP製品では業務機能の単位ごとにデータベースが作られ、機能間でデータの不整合が生じる恐れがある。それに対して、GRANDITでは、初めから全体をカバーした統合型データベースを作り、その上に業務機能を順次追加していく。これにより、スモールスタートとシステム全体のデータ整合性を両立させている。
GRANDITはすでに1000社を超える企業に導入されている。近年、特に増えているのは海外製ERPからの移行だ。
「海外製ERPをベースにした業務遂行で苦労された企業がGRANDITに移行されるケースでは、『すぐに現場業務に浸透させられた』と喜んでいただくことが多いですね」(石川氏)
グループ規模に応じてGRANDITと海外製ERPを使い分ける企業グループもある。
「親会社では引き続き大規模な海外製ERPを使うとしても、そこまでのコストや手間をかけられない子会社が多いのです。そのような背景から、企業グループとしてGRANDITを導入し、グループ全体の統合を実現しようとするお客さまが増えています」(高橋氏)
GRANDITは企業グループ全体をデータ統合し、見える化を支援する「グループ統合データウェアハウス」や「グループ間取引連携」「グループマスター連携」などの機能を備える。このため、導入企業の約60%がGRANDITをグループの統合インフラとして活用している。
サブスクリプション形式で
最新バージョンが利用可能に
昨年5月には最新版のバージョン3・0をリリースした。最新バージョンでは、ホワイトカラーの生産性向上に向けた切り札として期待されるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールをファミリー製品として追加した。ERPとRPAを柔軟に組み合わせることで、データ入力・集計といったフロント業務から基幹業務まで、システムによる自動化の範囲を大幅に拡大できる。
また、クラウド環境でさまざまなソフトウエア製品を利用する企業が増加している流れに対応し、今年2月にはサブスクリプション形式でのライセンス提供を始めた。これにより、オンプレミス環境だけでなくパブリッククラウド環境においても、月額制で常に最新のGRANDITを利用できるようになった。
石川氏は、「引き続きクラウド対応を強化していくほか、ビジネスの拡大に寄与する機能にも一層力を入れ、日本企業の成長を支えていきます。また、コンソーシアムに参画する仲間も増やしていきたいですね」と、今後の抱負を語った。
GRANDIT https://www.grandit.jp