将来性は?
大量採用戦略で人材ニーズに応える
建設業界の就業者数は、ピークであった97年度の685万人から17年度には498万人に減少しており、技術職も43万人から31万人に減っている。高齢化もあり、就業者は今後ますます減っていくだろう。一方、都市再開発や老朽化したインフラの更新需要などによって建設投資額は年々増えていく。これによって現場の人手不足はますます深刻化していくはずだ。
そうした構造変化を見据え、夢真ホールディングスは19年9月期を初年度とする中期経営計画で建設技術者の採用を加速する方針を打ち出した。中計の最終年度である21年9月期には、建設技術者だけで年間3000人を採用する目標を掲げている。
昨年には、採用する人材のすそ野を広げるため、技術力のあるベテランをターゲットとする自社求人サイト「俺の夢」を立ち上げた。
製造業・IT向けのエンジニアについては、建設技術者以上に採用を加速させる方針だ。
経済産業省によると、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)をはじめとする急速なテクノロジーの進歩とともに、今後日本ではIT人材が30年に約60万人も不足する見通しである。
急激な需要の高まりに対応して、エンジニアについては、現在の在籍数とほぼ同等の2000人前後を毎年採用していく。
積極的な人材投資によって高成長を持続し、将来的にはグループ連結採用人数1万人を目指す計画である。
ZAi2019年8月号より転載