既設テナントビルの「ZEB」化で
快適性と省エネを同時に実現

空調の更新時期を
きっかけにZEB化

既設テナントビルの「ZEB」化で快適性と省エネを同時に実現三菱電機
稲沢製作所 システムインテグレーション部 ソリューション技術課
鈴木清彦 担当課長

 今回のZEB化を担当したのは、ZEBプランナーである三菱電機と、三菱電機ビルテクノサービスである。

 きっかけは、設備更新だった。「HOWAビル津中央」は空調設備の更新時期を迎えていた。同ビルの設備保守を担当していた三菱電機ビルテクノサービスが更新を機に、不動産の価値向上にもつながるZEB化を提案したのだ。

 設計を担当した三菱電機では、ビルの断熱能力や機器の状況について入念に事前調査を行い、ZEBの実現に向けて必要な機器を選定した。

 同社の鈴木清彦担当課長は、「既設ビルのZEB化は新築と違い、断熱や設備の設置スペースに制約があるため、いかに既設の建物の状態を見極め、省エネルギー化できるかがポイントになる。お客さまの目指す省エネ率の達成に向け、必要と判断した設備を更新します」と説明する。同ビルでは調査の結果、高効率な空調とLED照明を導入、太陽光発電で創エネを図り、エネルギー使用状況を“見える化”するBEMS(ベムス)(ビルエネルギーマネジメントシステム)でエネルギー管理のPDCA活動を継続させることになった。

既設テナントビルの「ZEB」化で快適性と省エネを同時に実現三菱電機ビルテクノサービス
中部支社 三重支店 営業課 営業係
前川聡史 係長

 現場で工事を担当した三菱電機ビルテクノサービスの前川聡史係長は、「テナントビルのZEB化は、入居者さまの負担を極力減らすことが重要。工期の調整や設備停止時期の設定に当たって、宝輪さまやビルの管理人さまと打ち合わせを重ね、綿密に練り上げた工程管理表に沿って、複数の施工を一気に行いました」と語る。

 今回の二つのビルのZEB化は経済産業省・環境省の実証事業の採択を受けた。三菱電機は複雑な補助金申請業務をしっかりサポート、三菱電機ビルテクノサービスが約3カ月の短期間に工事を完了し、費用の約3分の2は補助金で賄われた。

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