3電池を組み合わせた
“自立する家”
木場 ではこちらはどのような性能を持つ家なのでしょう。
阿部 ひと言でいえば、世界で初めて“3電池”を組み合わせた“自立する家”です。ガスで電気とお湯を同時につくる「燃料電池」と、太陽の光で電気をつくる「太陽電池」、そして電気をストックできる「蓄電池」を組み合わせて、HEMS(家庭内エネルギー管理システム)で連動させ制御しています。快適に暮らしながらも、大幅な節電を可能にし、災害時にも自立した暮らしを実現できるスマートハウスです。
木場 いわば“創エネ”と“蓄エネ”で、安心な暮らしを提供するというわけですね。
私自身も昨年の震災では自宅のある浦安が被災しました。計画停電などでエネルギー問題にも直面し、家が自立するにはどうすればいいのかを考えさせられました。
阿部 それは大変でしたね。「グリーンファースト ハイブリッド」では、3電池をHEMSで自動制御することによって、平常時は購入量より売電量が多くなるので、日中は“まちの発電所”として社会にも貢献できます。家庭での電気の自給自足が可能になれば、サステナブル(持続可能)な社会の実現にも近づいていくと思います。
スマートハウスの
リーディング企業として
木場 ところで本日対談をさせていただいている「観環居」は、本当に心地よい家ですね。最先端のネットワークテクノロジーを導入しながらも、自然との共生が巧みに施されて、どこか懐かしい快適さがあります。この「観環居」は、総務省委託事業の「スマート・ネットワークプロジェクト」にハウスメーカーとして唯一参画した実証実験住宅だとか。積水ハウスは、環境に対して先進的な取り組みをされているイメージが大変強いと感じますが。
阿部 私たちは1999年に「環境未来計画」を発表し、住まいの省エネ・創エネに取り組んできました。2008年に住宅業界では初の「エコ・ファースト企業」に認定され、09年には業界に先駆けて、環境配慮型住宅「グリーンファースト」の販売を開始しました。
以来スマートハウスのリーディングカンパニーとして、快適でありながら環境に配慮した住まいづくりを追求しています。11年には「グリーンファースト ハイブリッド」が、新エネルギー財団が主催する「新エネ大賞」の最上位である経済産業大臣賞を受賞するなど、環境への取り組みに対する積水ハウスへの社会的な評価はますます高まっていると思います。