何がスゴイの?
徹底した損益管理で断トツの高収益を実現
豊洲市場における水産物取扱高では3位だが、収益力は断トツのナンバー1。19年3月期は一部事業の整理によって売上高こそ微減したものの、純利益は前期比41.1%増と大幅増益を達成した。
高収益の理由は、部門ごとはもちろん、買付・販売を行う社員1人ひとりの損益まで“見える化”していること。当たり前の管理を徹底することでより多くの利益を確保し、成長投資や株主への還元を充実させることを目指している。
80年以上の経験で培った水産物を“目利き”する力や、国内外の生産者と築き上げた広範なネットワーク、そのネットワークを生かして、いかなる大量オーダーや多品種少量オーダーにも柔軟に対応できる集散機能などを備えているのが同社の大きな強みだ。
18年10月に築地市場から豊洲市場に移転し、より鮮度管理や衛生管理の環境が整ったことで、品質の高い水産物をタイムリーに提供できる環境が整った。また、冷凍品、塩蔵品、干魚などの加工品は近年、市場を経由せずに流通するケースも増えているが、そうした市場外取引に対応するため、採用する人材の多様化も推進している。
生産者や顧客との交渉力、損益管理の徹底など、東都水産の競争力は「人の力」が支えている。これをさらに強固にするため、働くことの意識の変革や「働き方改革」にも力を入れている。
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厳選された水産物も用意するポイント制株主優待制度
東都水産は19年9月末にポイント制の株主優待制度である「東都水産プレミアム優待倶楽部」をスタートする。
毎年9月末の株主名簿で100株以上を保有している株主を対象に、保有株式数や保有期間に応じてポイントを進呈。受け取ったポイントは同社が厳選した水産物をはじめ、約2000点の商品やサービスと交換できる仕組みだ。水産物は、水産卸売会社としての“目利き”を生かした品々が用意されるとのことなので期待したい。
11月上旬には、交換できる商品を掲載したWebサイトが公開される予定だ。
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