将来性は?
「資源アクセス」強化と海外市場開拓を両輪に
国内では、少子高齢化に伴う人口減少や食生活の変化とともに魚の消費量が年々減り続けているが、海外では、経済成長とともに生活が豊かになったアジアなど新興国を中心に消費量が伸びている。
東都水産は、これに対応して海外への販売をさらに拡大していく。
具体的な取組みとしては18年、生産者(1次産業)、水産加工者(2次産業)と同社(3次産業)がパートナーシップを組み、日本で漁獲・加工したサバやイワシをアフリカやアジアなどに輸出する「6次産業化推進プロジェクト」に参画した。これは官民一体のプロジェクトであり、日本の漁業の国際競争力強化に貢献するだけでなく、同社にとっては、高齢化などで廃業が進む国内の生産者を繋ぎ止め、「水産物資源アクセス」を強化するための取組みとなる。
どんなに海外の水産物需要が拡大しても、“売り物”が確保できなければ商売にならない。そのため、今後も海外市場の積極開拓と「資源アクセス」の強化を両輪とする成長戦略を描いている。海外向け販売で高収益を上げているATC社の事業もさらに強化する。
ZAi2019年10月号より転載