また、実際にHIT活動を進めている企業でアンケートを採ったところ、以下のような声を拾うことができた。
「可視化によって個々人のスキルの差、改善着眼点が明白になり、目的意識が向上しました」
「新人でもベテランのノウハウを盗むことができ、作業をスピードUPできるようになりました」
「今まで独自のやり方で業務を行ってきましたが、可視化されることで、他人のやり方や個々人のやり方の差が明確化し、改善点が見え、さらに効率のいいやり方を考える習慣が身につきました」
このように、業務の改善や改革を進めるうえで、さまざまな効果を発揮するのがHIT法だ。ではHIT法とはどんなものなのか。
管理職のマネジメント業務を支援するツール
HIT法について改めて説明しよう。HIT法は、システム科学が開発した、ホワイトカラーの業務を可視化する技法・ツールだ。HIT法は、業務を細かい単位に分解して、チャートなどの目に見えるかたちにして、ムダとりなどの改善を行う。
HIT活動を進めることで、作業工数の削減、経費の低減、リードタイムの短縮などの成果を上げることができる。業務改善と同時に、電子マニュアルが自動で作成され、そのマニュアルは、システムを導入する際の要件定義にも活用できる。さらにレベルアップすれば、BPR、スキルアップ支援(OJT)、リスクマネジメント体制の構築にも活用できる。
例えば、本田技研工業グループの八千代工業は、HIT法を活用し、間接部門の業務工数の約30%削減を実現した。さらに、人材育成やシステム再構築を伴うBPRにも取り組んでいる。
業務管理や人材育成といったマネジメントに役立ち、業務革新を実現するHIT法。間接部門、営業部門、研究開発部門など、ホワイトカラーの業務を支援するツールとして、これ以上のものはないと自負している。