「環境を創る 未来を創る」を企業理念に、害虫駆除・防除に対して予防・早期発見というユニークなアプローチで取り組む「8thCAL(エシカル)」。同社の岡部美楠子社長と昆虫学者の丸山宗利・九州大学准教授が、生き物が共存・共生できる社会の可能性について語り合った。

8thCAL
岡部美楠子 代表取締役社長(左) 武蔵野美術大学卒業。事業構想大学院大学・修士課程修了。2010年シェル商事を事業承継。18年8thCAL設立。
「テクノロジーを駆使したり、建築物や街のデザインを工夫したりすることで、害虫の侵入を防げる可能性があります」

九州大学総合研究博物館
丸山宗利 准教授(右) 2003年に北海道大学博士課程修了。国立科学博物館研究員などを経て、08年より現職。著書多数。
「アリの世界は人間界の縮図、人間もまた自然界の一部の生き物にすぎないということが学べるのです」

「8thCAL」の岡部美楠子社長は、1960年創業の害虫駆除会社「シェル商事」を事業継承し経営してきた。

 「環境衛生の領域において、害虫と呼ばれる生き物の駆除や防除は避けて通ることはできませんが、命を奪うことが当たり前になっている現実に違和感を覚えていました。自ら母として小さな命と向き合う中で、全ての生き物が共存・共生できる社会を未来に残したいという思いから、新たに8thCALを設立したのです」