1935年に国産第1号
の空気分離装置を完成
大陽日酸は、優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度「ホワイト500」にも認定されている
鉄鋼業や化学工業では酸素や窒素が大量に使用されるが、自動車、機械、建設の分野では、金属の切断や溶接、熱処理などに酸素、窒素、アルゴン、アセチレンといったガスが利用される。大量のガスを使用する顧客の場合、構内や隣接地に空気分離装置を設置して、パイプラインによるガスの供給を行う。
同社は1935年、国産第1号の空気分離装置を完成したことでも知られる。自社開発の空気分離装置を持つため、顧客の用途に合わせてカスタマイズできる強みがある。
最近はエレクトロニクス産業の最前線での需要も多く、半導体製造工場の隣接地にトータル・ガス・センターを設置し、24時間体制で高純度窒素や多種多様な電子材料ガスを供給。また医療の現場や研究機関など、医療関連分野でも幅広いニーズがある。
「身近なところでは、病院の酸素吸入のガス。医療用ガスは患者さんの生命に関わるだけに、安全性や安定供給を徹底的に追求しています。さらに在宅医療用の機器の開発や製造を手掛けるメディカル事業も展開、高度なガステクノロジーを駆使して、PET検査薬原料やバイオ研究の凍結保存システムも提供しています」(亘執行役員)
同社の市場は今、グローバルに広がっている。現在、北米・欧州・アジアを中心に世界29の国と地域で事業を展開、既に全米に供給ネットワークを構築している。ガスは“貿易材”ではなく現地で製造して供給するもので、海外事業はM&Aを通して展開、今後はグローバル・サプライヤーとしての成長が期待されている。