時代の変化が可能にした
DaaSというサブスク化
これまでPCは、購入するか、レンタルするかしか選択肢がなかった。購入する場合には一括で調達するために均一のスペックであることが多い。基本的に減価償却が終わるまでは買い替えることもできない。レンタルの場合は長期間使えばコストがかさみ、使いたいソフトは別途調達しなければならなかった。
シネックスジャパンの國持重隆社長は、DaaSが実現できていなかった理由について「技術的な側面」と「コスト的な側面」の二つを指摘する。個々のPCには決められたアプリをインストールして、セキュリティー対策を施し、資産として登録するという手間が必要であり、一括購入することによりボリュームディスカウントで価格を抑える必要があった。
しかし、時代は変わった。「技術面で大きいのがクラウドの普及です。業務で使用するアプリがクラウド化されたことで、PCは一定の仕様の要件さえ満たしていれば互換性を保てるようになりました」と國持社長は話す。
仕様を統一して一括購入する必要性が薄れ、代わってPCのサブスク化に注目が集まるようになった。月額定額制のために初期投資を抑えることができ、ソフトとハードを同じタイミングで提供してもらえるので手間もかからない。資産として計上する必要もなく、ライセンス費用も含めて経費として処理できるので、資産管理コストも不要になる。
同社がDaaSを実現できた背景には、ディストリビューターとしての豊富な実績とサービスがある。Officeツールの販売代理店であるため、大量の使用権を保有し、グローバルでマイクロソフトとの強力なパートナーシップがある。しかもハードとソフトを一緒に管理して月額で請求するシステムも持っていた。こうした基盤があって今回のサービスが実現できたのである。