さらに、ある時期だけ物量が増大する場合は、あらかじめ各地の物流拠点へ定期便で計画的に配送、共配便やチャーター便など現地の輸送ネットワークを利用して、物流拠点から確実な納品を行うスキルも構築している。
そうすることで、繁忙期の納期の遅れも解消、物流コストも削減できるようになった。
アセットを増やすのではなく、ノンアセットで受注データを活用し、全国配送を効率よく実現するという選択。それが結果的に“荷主寄りの物流”を実現したのだ。
「クラロジ」「トラロジ」で
物流を効率化
丸市倉庫では、こうした提案をするため、斬新な物流管理システムを自社開発している。その一つが、「クラロジ(クラウド在庫管理システム)」。
これは、入庫・出庫・在庫の履歴を、関係者の誰もが常時閲覧できるシステムで、そのデータは分析・可視化されてクラウドに蓄積され、適切な経営判断を行う材料となる。物流担当者だけでなく、営業・資材・製造・会計などの各部署や、経営層まで閲覧できるのが特徴だ。
もう一つが、輸送サービスの「トラロジ(荷主向け配車マネジメントシステム)」。
これは、物量や納期、コストに応じて適切な車両を選択できる配車マネジメントで、アナログでやっていた作業をシステム化したものだ。配送の状況をリアルタイムに把握するほか、定点観測を行って積載効率や輸送拠点の見直しを行うサイクルも作っている。
クラロジが在庫管理なら、トラロジは配車管理。両者を組み合わせることで、より効率的な物流システムが実現する。同社ではこれらのシステムを倉庫会社や運送会社に販売、物流を効率化する新しいシステムとして次第に認知されるようになっている。