プラットフォームの提供で
業界に恩返しを
丸市倉庫では数年前から、この「クラロジ」を利用してタイヤ保管サービスをアプリで展開している。冬用タイヤと夏用タイヤを交換するユーザーから、事業者がタイヤを預かり、物流会社が倉庫で保管するシステムで、複数の物流会社がネットワークを結ぶことで、空きスペースを有効活用できるのがポイントだ。
事業者は集客力が増し、物流会社は稼動率が高まり、ユーザーはタイヤを保管する手間がなくなる。まさに“三方良し”を実現する画期的なビジネスモデル。同サービスは山梨県を中心に既に数県で導入され、利益を上げる構造ができているという。
「タイヤ保管サービスは、クラロジを使った一例にすぎません。近い将来、クラロジとトラロジのビッグデータをAI(人工知能)で分析し、最適な倉庫と配車をマッチングさせるシステムを開発したいと考えています。タイヤ保管サービスもそうですが、経営環境が厳しい中、事業に関わる誰もが疲弊せずに、利益を享受できること。私たちの目標は、効率の良い物流システムのプラットフォームを創り、業界に恩返しをすることです」と堀内社長。
大企業のような資本力がないからこそ、データを詳細に分析し、ユニークな発想で事業を展開してきた丸市倉庫。山梨の地から、持続可能な物流が生まれようとしている。