採用と教育のイノベーションで人材を育成
中小企業の存続と成長に寄り添う

厳しさと愛情により
自分の強みと出合う教育

　特に力を入れているのは、採用後の新卒教育だ。同社では13年にキャリアプロデュース部（CP部）を発足。新入社員は全員がこの部署に配属され、半年から1年をかけて、営業の実務を通して社会人基礎力と同社の理念を教え込まれてゆく。目先の数字を追いつつ、同期の絆も強化しながら、ビジネスパーソンとしての精神的基礎を築く部署である。

「社会人として初めて入る会社は、その人の人生を決めると考えています。そのためには、厳しさと愛情を注ぐことが大事。CP部では上司が一人一人と徹底して向き合います」（笠井社長）

　社員教育もユニークだ。全部門長が共同執筆した会社の「教科書」があり、新入社員はこれを基に、会社の扱う商材やミッションをじっくり学んでゆく。また成績優秀者が営業のテクニックなどを解説するオリジナルの動画コンテンツを作成、社員は隙間時間にeラーニングでそれらを学ぶ。情報を出し惜しみせず全社で共有し、共に成長を図るためだ。

「スターティアは、若手社員にとって自分の強みと出合う場であってほしいと思います。周囲の人から学び、精一杯チャレンジしながら成功と失敗を繰り返し、信頼する上司・先輩からのフィードバックを得ることで、初めて自分の強みと出合えるのです」（笠井社長）

　そんなスターティアでは、社員一人一人の長所を活かすキャリアチェンジ制度や若手の抜擢人事も盛んだ。

「最終的なゴールは、日本の中小企業の経営に不可欠な存在になること。技術や価格はコモディティ化しますが、人材は違います。ITやデジタルが発展した世の中だからこそ人と人が出会うことが価値となり、その価値が当社の成長につながるのです」と笠井社長は力強く語る。