起業家向け、エンジニア向けの支援施設が充実
スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next(FGN)」
17年4月には、市の繁華街の真ん中にある閉校となった旧大名小学校を再生した日本最大級の官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next(FGN)」を開設。起業の拠点となるシェアオフィスやコワーキングスペースといったハード面の整備とともに、起業や第二創業の支援・成長をサポートする場としての必要な機能を全て集約した。ここに来れば、福岡市のスタートアップのことが分かるのだ。スタートアップ企業が直面する資金調達に関しても、FGNに拠点を置くベンチャーキャピタル「FGN ABBALabファンド」がサポートする。その結果、21大都市中1位の開業率(福岡アジア都市研究所調べ)を誇る。
FGNは19年5月にリニューアルされ、11月時点で約140社・団体が入居している。小学校の教室をオフィスに転用しているため企業同士の行き来がしやすく「気軽にビジネスの話ができる雰囲気」(田中課長)であることから、スタートアップ企業が力を合わせてプロジェクトを立ち上げるケースも目立つ。
エンジニアの交流拠点「エンジニアカフェ」
FGNを起業家向けとすると、19年8月に国の重要文化財「福岡市赤煉瓦文化館」に開設した「エンジニアカフェ」は、個人やコミュニティーを核としたエンジニア・エコシステムを創造することが目的。つまり、エンジニアが集い、情報を交換し、成長していく場だ。コミュニティーマネージャーが、エンジニアやエンジニアを目指す学生などの相談に対応したり、コミュニティーの活動をサポートする。コミュニティーなどが主催する勉強会やイベントが毎日のように開催されている。また、カフェ併設のコワーキングスペース、作業に没頭しパフォーマンスを最大化できる集中スペース、機器の試作ができるMAKER’sスペースなども自由に利用できる。