京阪カントリー倶楽部
清掃ロボット導入で
より質の高い
施設づくりを目指す
デイリー社グループの京阪カントリー倶楽部は、滋賀県大津市の名門ゴルフ場だ。自然の造形美を生かした丘陵コースは、ゴルファーの挑戦意欲をかき立てる。クラブハウスはヨーロピアン調の重厚な建物で、室内は品格のあるデザインでまとめられているのだが、植田一也総支配人には悩みがあった。
植田一也総支配人
「今、人手不足が大きな課題になっています。グループのゴルフ場は、清掃係を募集してもほとんど応募がありません。ここは都心に近いので比較的人を集めやすいのですが、それでも昨今は難しい状況が続いています。高齢者雇用にも積極的なのですが、働ける日・時間が限られてしまい、スケジュールを組むのに苦労しています」
恒常的に人手不足なのに、最近、介護などの理由で2人の退職希望者が出てしまった。すぐに人員を補充するのは難しい。困っているときに、ダスキンを通じて「Whiz」を紹介された。
「試用してみたところ、仕上がりがきれいで精度が高いという印象を持ちました」(植田総支配人)
会員の厳しい目にさらされるクラブハウス内は、掃除が行き届いて、ちり一つ落ちていないことが当たり前だ。それなのに「Whiz」を一度稼働させたところ、驚くほどのごみが取れたという。
「驚いたことがもう一つ。じゅうたんの掃除が終わると、フェアウエーを思わせる美しいゼブラライン(しま模様)が残るのです。機械で丁寧な作業をした証拠です。ゴルフ場としてはうれしいし、お客さまにも喜んでいただけると思います」と植田総支配人はほほ笑む。
「Whiz」導入前は、清掃員が1階フロア510平方メートルを1時間15分、2階のラウンジスペース190平方メートルを30分、レストランホール390平方メートルを1時間15分かけて掃除をしていた。その時間が「Whiz」を稼働させることによって浮いた。
「清掃員の中には、仕事を取られたという意識も持つ人もいると思います。しかし、『Whiz』を導入することで、今まで時間がなくて手が回らなかった部分や目が届かなかった部分に手をかける、例えば化粧室をより一層磨き上げる、駐車場を整備するというように、今後は敷地全体の質を高めていこうとスタッフと話しています」
「Whiz」自体は、その形状と動きでスタッフから「かわいい」という声が寄せられ、本体にコンペ情報やクラブからのお知らせなどのボードを設置して稼働させたらどうかという案も出ているという。植田総支配人は、「Whiz」導入に自信を見せ、「人とロボットの清掃における相乗効果により、よりクオリティーの高い施設を目指します」と語る。京阪カントリー倶楽部のトライアルは、より人手不足が深刻なグループゴルフ場にとって朗報となりそうだ。