特別な一夜の体験を
プロデュース
藤村博信次長 兼 誘致事業課長
利用できる施設の開発と主催者とのマッチングを支援する東京観光財団コンベンション事業部の藤村博信次長は、「東京は伝統と革新が融合した街であり、ユニークベニューの活用を通じて、そのことを体感してもらえると考えています」と自信を見せる。
東京観光財団では、ユニークベニューの活用方法を提案する「ショーケースイベント」を2019年度に4回開催する予定だ。その中で、10月には葛飾柴又の帝釈天題経寺と柴又帝釈天門前参道商店街を舞台にした。
境内では、題経寺の伝統行事として行われる粋な木やりと大胆なはしご乗りのパフォーマンスが披露されたほか、法華経の説話をモチーフとした彫刻ギャラリーも開放された。参道商店街では、今後のユニークベニューとしての活用を視野に、店ごとに新たに開発したオリジナルメニューを用意し、食べ歩きを楽しめるような演出がなされていた。当日は、小池百合子・東京都知事も訪れ、下町の味に舌鼓を打った。
ある外国大使館の商務担当者は、「通常のビジネストリップでは味わえないもので、東京に強い好印象を残すでしょう。商店街が丸ごと自分たちを迎えてくれ、自由に散策できるなんて、夢のようです」と語った。
また12月には、目黒にある旧前田家本邸洋館でショーケースイベントが開催された。迎賓館としても利用できるように設計された洋館で、参加者はまさに非日常を体感。バイオリンとクラシックギター、日本生まれのオークラウロという楽器による三重奏をBGMに、東京のワインや日本酒、江戸東京野菜を取り入れた晩さん会スタイルでの会食を楽しんだ。
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ユニークベニューの活用は、年々増えており、利用料やバンケット料などの負担はあるものの、「どこの都市でも同じようなホテルや会議場で行われるレセプションとは全く違う」という特別感は、イベントの主催者や企画担当者には大きな魅力だ。