誰かのための新たな価値を生み出すためには
だが、先人の知恵は、戦略・マーケティングをはじめ、組織・リーダーシップ、会計・財務、変革、ビジネスの創造、テクノロジーをビジネスに生かす知見など、範囲は多岐にわたる。何から学んでいけばいいのだろうか。
「まずは、自分の専門領域に近いところから学ぶのが第一」だと井上氏は言う。
「自分の専門分野に近いところから知識を広げていくというアプローチがあります。例えば、営業職であればマーケティングや戦略を、経理部門なら財務やファイナンスを学ぶといったように、今の仕事に近いところから始めることです。
もう一つは、自分で描いたキャリアビジョンに合わせて、必要な知識をブレークダウンして学んでいくという方法。ポータブルスキルを学ぶ人たちを見ていると、目標を設定している人の方がしっかり学んでいる割合が高い。ですから、どういうキャリアを目指すのか、それにはどのような学びが必要なのかを、とことん考え抜くことです」
そして、キャリアビジョンを考える上で重要な要素として、井上氏は「志」を挙げる。
「自分が面白いと思えると同時に、社会や誰かのために価値があることを目標にすることが大事。例えば、IT企業に勤めている人なら、最新のテクノロジーに興味があるというだけでなく、ITを通じて誰に、どのような、新しい価値を提供したいのか、自分の信念を具現化することを考える。自分の人生を使って、何を成し遂げたいのか。〇〇を成し遂げたいという信念が、新しい発想を生み、自らを高めていくための原動力になるのです。志は成功の秘訣ともいえるでしょう」
“学び”はビジネスの“筋トレ”
プロやアマチュアに限らず、アスリートは、試合で最大のパフォーマンスを発揮するために普段からさまざまなトレーニングに励んでいる。だが、日頃から自分をビジネスで鍛えている人は少ない。井上氏は自身の経験を踏まえ、次のようにアドバイスする。
「私は20代のとき、大企業の人事部長と対等に議論できる知識を身に付けることを目標に、日々勉強しました。3年くらいたつと、一回り、二回り年上の経験豊富な人たちとも深い話ができるようになり、仕事で大きな成果を生み出すことができました。知識を身に付けることは、いわばビジネスの“筋トレ”を行っているようなものです。普段から“筋トレ”に励んで地力を上げておけば、チャンスが巡ってきたときにしっかり戦えるようになる。ポータブルスキルを身に付けるための学びは、日々の“筋トレ”です。コツコツと続けることが大切です」
●論理的思考力を学ぶ
●マーケティング、戦略経営を学ぶ
●組織マネジメントやリーダーシップを学ぶ
●会計、財務基礎を学ぶ
●英語やグローバルビジネスを学ぶ
●キャリア・志に向き合う
●変革をリードする姿勢・スキルを学ぶ
●ビジネスを創造するためのスキルを学ぶ
●テクノロジーを活用したビジネス創造を学ぶ
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