再エネ主力電源化を
大規模洋上風力で実現

レノバ
福真清彦執行役員
プロジェクト推進本部長

 レノバの理念や覚悟について、執行役員プロジェクト推進本部長の福真清彦氏はこう語る。

「当社は、“自立可能”、つまり持続的で市場競争力のある再エネ電力の供給を目指しています。そのためには世界的に見ても再エネ発電所の大規模化が必須です。特に、海洋国家である日本では、洋上風力発電に大きな可能性があります」

 レノバは現在、有力企業とコンソーシアムを組み、東北地方で700メガワット級の大規模洋上風力の開発を計画している。これほど大規模な再エネ事業を実現するためには、三つの鍵が必要だと福真氏は言う。

「一つ目は、地域との共存共栄です。エネルギー資源の多くは地域の自然の中にある。ですから、地域に貢献する事業であること、地域の方々の理解と協力を得ることが必要不可欠です。その地域と共に数十年という長い年月を一緒に歩む覚悟がなければ、信頼は得られません」

地域のお祭りに参加したり、環境教育に役立つ施設を建設したりするなど、長期的なパートナーとして地域との共存共栄を非常に大切にしている

 丁寧な対話を積み重ね、環境や安全への配慮、地域に長期に役立つ貢献の在り方などを十分に検討し、事業計画を何度も練り直すのがレノバ流だ。

「二つ目は、プロジェクトマネジメント力です。大規模再エネ開発では、膨大な項目を設計しつつ、並行して地域の行政や住民の方々と共に作り上げていく柔軟性と緻密さを備えたプロマネ力が必要です」(福真氏)

 それを可能にするのが、同社のノウハウの一つである一気通貫のプロジェクトマネジメントだ(下図参照)。初期検討から運転まで全ての工程を、結束力の固いワン・チームで行っているため、地域との対話や調査過程で発生する想定外の変更、最適解の追求に対して柔軟かつスピーディに対応できる。

実際の事業フローは、プロジェクトの特性などによって順番が前後したり、地域の人々や関係者の対話を踏まえて、行きつ戻りつ進行する場合が多い