日本企業の海外進出は右肩上がりの状況が続いており、2017年10月時点で7万5000件を超える*1。進出先での課題のひとつが、現地の営業活動を支えるバックエンド業務。小規模な拠点が多く大きなシステム投資は難しいが不可欠だ。そこでビジネスエンジニアリングが開発したのが、月額2万9800円から始められるクラウド型国際会計・ERPサービス「GLASIAOUS(グラシアス)」だ。多言語、多通貨、多基準対応をはじめ、現地の業務をよく知る国際会計事務所の声を反映した多くの機能を備え、導入企業はすでに約850社にのぼる。

*1参照:外務省 海外在留邦人数調査統計

多言語、多通貨、多基準をサポートするクラウド型国際会計・ERPサービス

プロダクト事業本部 コンサルティングサービス本部 デジタルソリューション推進部 副部長
鈴木將路

「日本企業が海外に進出する時、現地の会計処理をどうするのかは大きな問題です」と話すのは、ビジネスエンジニアリングの鈴木將路氏だ。

 GLASIAOUSの責任者を務める鈴木氏に加え、GLASIAOUSの営業や、現地支援を行う春山雄一郎氏と松本かほり氏を合わせた3人のキーパーソンに、GLASIAOUSの特徴や強みを伺った。

 海外の進出先において、日本人は営業や製造の責任者であることが多く、管理部門は現地で採用するか、アウトソーシングするというケースがほとんどだ。そこで、同社は現地スタッフでも直感的に使えるインターフェースを持ち、日本本社の経理部門はもちろん、会計の専門家ではない日本の営業担当でもタイムリーに数字を共有できるサービスとしてGLASIAOUSを開発した。

 最大の特徴は多言語・多通貨への対応だ。25を超える国と地域で採用実績があり、現地のスタッフが現地語で入力すれば、日本の経理担当は日本語でタイムリーに会計情報を見ることができる。画面項目、マスターデータ名称などの表示が各言語に切り替わるだけでなく、レポートもその言語で出力が可能だ。国ごとに異なる会計基準もサポートしており、現地のスタッフがその国の基準に基づく項目に沿って入力しても、日本本社は日本の会計基準に沿った形でデータを参照したり、レポートを読んだりできるわけだ。

GLASIAOUSの貸借対照表を英語(左)と日本語(右)で表示したところ。単純に項目の表示言語が変わるだけでなく、会計基準やグループのルールに従って項目内容も変更可能。【画像拡大】

 米国公認会計士の資格を持つ春山氏は、「例えば日本では仕訳を左右に分けて書きますが、他の国は行が分かれます。実務レベルでの会計のルールは大きく違わなくても、日本の会計には特殊な部分があり、見たいポイントも細かい。その要求レベルに見合う機能を備えている点は強みです」と説明する。

 公認会計士であり、経理部で海外子会社を管理した経験を持つ松本氏は、「本社の経理からすれば、かつては海外拠点で何が起きているのか分からず、だからと言って管理部門の立場ではなかなか実際に行って調べることもできなかった。クラウド会計により、現地の会計事務所が入力したものを自分の目できちんと確認できるようになり、不安がなくなりました。また、現在のように新型コロナウイルスの影響で海外出張を控えざるを得ない状況でも、随時情報をキャッチアップできるのは大変有用です」と経理担当の内情を代弁する。