加熱式たばこと紙巻たばこ、
「吸える場所」の違いは?
では、改正健康増進法の全面施行後、たばこが「吸える」のはどんな場所か。
まず、レストランなどの飲食店は原則屋内禁煙になるが、改正健康増進法には「一定の場所を除き」というただし書きがあり、フロアの一部に「喫煙専用室」を設けることができる。ガラス壁で完全に密閉するなど、室外への煙の流出防止措置を施した専用室を設ければ、その中に限って喫煙を認めるというものだ。
こうした喫煙専用室には2つの種類があり、1つは紙巻たばこも加熱式たばこも吸うことができる「喫煙専用室」。もう1つは、加熱式たばこのみの「加熱式たばこ専用喫煙室」だ。喫煙可能なたばこの種類の他、「喫煙専用室」では室内での飲食が認められないが、「加熱式たばこ専用喫煙室」ではたばことともに飲食を楽しむこともできるのが、大きな違いとなる。
飲食店で例外となるのは、「資本金5000万円以下、客席面積100平方メートル以下」の小規模な飲食店のケース。事業継続への影響を考慮し、こうした飲食店では経過措置として、「喫煙可能室」として、たばこが吸える室内で飲食を提供することが許されている。ここでは、紙巻きたばこでも加熱式たばこでも喫煙できる。
ただし、東京都の飲食店については、都の受動喫煙防止条例によって、より厳しい制限が講じられており、上記の条件を満たした上で、「(賃金を支払っている)従業員がいないこと」が必要とされる。つまり、家族経営や同族経営の飲食店などでなければ、「喫煙可能室」は適用できない。
また、シガーバーやたばこ販売店、公衆喫煙所といった、喫煙を主目的とする特定事業目的施設では、「喫煙目的室」として施設内での喫煙が許される。ホテルなど宿泊施設の客室は、健康増進法の適用外なので、これまで通り、「喫煙」「禁煙」を選択することが可能だ。
このように、4月1日以降は紙巻たばこよりも、加熱式たばこの方が喫煙できる場所が多くなった。これも、紙巻から加熱式へのシフトを促すかもしれない。