急なテレワーク導入が決定。しかし全社員が持ち出し可能なPCや、自宅に仕事で利用できるPCを持っているわけではない……。こんな場合、経営者やIT管理者はどんなPCをどのように用意すればいいのだろうか。情報システム部門などの専門部署や、PC・ネットに詳しい人が社内にいない場合は、何の機種を選ぶか決めるだけでも一苦労。「できるだけ安いものを」と値段重視で使いにくいPCを導入すると、社員の生産性を落とすことになる。導入コストを抑えつつ、テレワークに適しており、社員それぞれが最高のパフォーマンスを発揮できるPCを選択しなければならない。そんな企業にお勧めしたいのが、新しいPCの導入方法「Device as a Service(DaaS)」と、標準機はもちろんテレワークにも安心して使えるマイクロソフトの「Surface」である。

今からテレワークを始める企業は、最適な性能のPCとサービスをセットで選ぶべき

レンタル、リースよりも利便性高いDaaS

 DaaSは、Device as a Serviceの略称で、「ダアス」と読む。最近になって活用されるようになった、企業が主にPCなどのデバイスを導入する新しい方法だ。

 デバイス本体に加え、デバイスの管理、セキュリティ設定や運用など必要なサービスをセットにして提供する。利用するデバイスは購入して所有するのではなく、月額利用料金を支払って利用する。最近流行のサブスクリプションモデルのデバイス/PC版だ。調査会社の市場予測では、このDaaS市場は2018年から2024年までの間に10倍以上の成長が見込まれている。

 このDaaS、企業にとってはメリットが多い。どんなメリットがあるのか、日本マイクロソフトでは、次のように説明する。「オフィス内だけでなく、サテライトオフィスや自宅などさまざまな場所で働く時代になりました。大手企業では社内にIT部門のスタッフがいて、PCを使っていてトラブルがあればIT部門に問い合わせるでしょう。社内にIT部門がない会社や組織でも、社内のPCに詳しい人に問い合わせるのではないでしょうか。ところが、社外で仕事をしていると問い合わせをする相手はいません。DaaSには、遠隔サポートなどのサービスがセットになっています。例えば自宅からでも遠隔リモートで保守を受けることができるのです。PCを利用する場合、企業の大小を問わず安心して使える仕組みなのです」(日本マイクロソフト パートナー事業本部Surfaceビジネス本部 川喜田一広氏)

 DaaSではPC利用開始時の設定、壊れた場合の代替機の提供、トラブルが起こった際の遠隔リモート保守などは自社で対応するのではなく全てサービスに含めることができる。

 価格は利用するサービスによって異なるものの、大手レンタル事業者が提供する月間利用料金は1台あたり大体1万円前後。これまでPCは企業にとって、「固定費」として処理されてきたが、「月額で利用する」ことになれば、固定費ではなく、サービスにかかるコストを含めた「経費」として利用するものへと変化する。PCを固定資産として計上した場合、減価償却にかかる期間は4年から5年程度。DaaSであれば利用を柔軟に設定できる上、トラブルがあった際はいつでもサポートを受けることができるため、「PCが故障した/調子が悪いので、本来の業務を進めることができなかった」という機会損失も最小に抑えることができる。

 レンタルと比較をする企業もあるだろうが、PCのライフサイクルマネジメントを含めたサービスがセットとなっている点が、通常のレンタルとは大きく異なる。サービスを含めたコストと比較して検討する必要がある。導入にかかる期間も短い。導入検討から実施まで、わずか1カ月強で利用を開始した企業もあるという。