イワシに含まれる貴重な有用成分で
血圧を穏やかにする
「ヘルケア」には、血圧を穏やかにする働きを持つ「サーデンペプチド」が配合されている。「サーデンペプチド」は、イワシから抽出される成分で、アンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きを抑え、血管を収縮させ血圧を上昇させるアンジオテンシンⅡの生成を抑制する。
「『ヘルケア』開発に際しては、まず食品として“身近で体にいい”イメージがある海産物にスポットを当てました。血圧が上昇する要因の一つに、血液中のタンパク質に変換酵素が働き掛けることで血管を収縮させることが挙げられます。変換酵素が働かないようにすれば、血管が収縮せず血圧上昇を穏やかにします。イワシの他、アコヤ貝やアサリ、カツオやサバなど13種類の魚介類を調べた中で、変換酵素に対する阻害活性が最も強かったのが、イワシから抽出されるサーデンペプチドだったのです」(佐藤マネージャー)
製品化前のヒト試験では、「ヘルケア」を飲み始めてから4週間で収縮期血圧が、さらに8週間で拡張期血圧が穏やかになる傾向が確認された。エーザイの製品開発の強みは、製薬会社として徹底して成分にこだわることだ。「ヘルケア」は、手軽に飲めるサプリメントだが、試験を通じて機能性を実証した上で、特定保健用食品(トクホ)として発売された。
ヒューマンヘルスケア(hhc)の理念を
具現化したサプリメント
エーザイは、ヒューマンヘルスケア(hhc)を企業理念に掲げ、製品開発から販売に至る事業や業務の中で、患者や生活者の傍らに寄り添い、患者や生活者の目線でものを考え、言葉にならない思い(喜怒哀楽)を感じることを重視している。それを実行するために、同社では全ての社員に、就業時間の1%を患者や生活者と共に過ごすことを推奨しているという。
「ヘルケア」の開発に当たっても、その理念はさまざまな形で実行された。
例えば「ヘルケア」の包装は、サプリメントの粒が全量入ったアルミパウチではなく、1日分目安4粒が入った個包装である。コストは高くなるが、あえて個包装にこだわった。
「包装の形状を決めるとき、血圧が高めな人の深層心理を考えました。血圧が高めな人の多くは、社会的に責任のある世代で、仕事の責務を負いながら、子育てや家事にも多くの手間や時間を要している人たちです。公私共に忙しい中で、規則正しくサプリメントを飲むのが難しい生活を送っています。そこで、手軽に飲めるよう、毎回粒を数えなくても済み、携帯しやすい個包装に決めたのです。2泊3日の出張や旅行があっても、ポケットに『ヘルケア』の個包装を3袋入れておくだけです」(佐藤マネージャー)
原価が高くなるため、社内でも議論があったというが、あくまでも「飲み続けて」もらうためを考えた上での決断だった。発売時には不安もあったというが、結果的に個包装は「飲みやすい」「手軽」と好評だ。