<「第230条」とは何か?>

 この条項は当時、台頭しつつあった米コンピュサーブやプロディジーなどのオンライン通信サービス会社を、利用者が投稿した批判的コメントを巡る名誉毀損(きそん)の訴訟による損害から守ることが狙いだった。プラットフォーム企業は利用者の行為に関する法的責任を広く免除され、サイト上のコンテンツを監視する極めて広範な裁量を認められている。裁判所はこれまで同条項を拡張解釈してきたが、批判的な向きは、現在のハイテク大手に過大な力を与えていると主張する。これに対しプラットフォーム大手は、現代のインターネットを機能させるために欠かせない条項だと反論している。

<大統領は何を提案しているのか?>

 トランプ氏の大統領令は、サイト上のコンテンツを「誠意」を持って監視するという、第230条で定められた法的義務をプラットフォームが果たしていない場合、連邦通信委員会(FCC)がそのように判断を下すことを求めている。また、企業がサービス規約や運営に関する公の主張と矛盾する形でアカウントを停止したりコンテンツを阻止したりし、虚偽あるいは不公正な取引慣行に手を染めていないか、連邦取引委員会(FTC)に調査するよう指示している。

 さらに、政府機関に対し、言論の自由を制限していると自身がみなすプラットフォームへの広告費の支出を止め、ソーシャルメディアプラットフォームの一角を州法で規制できるか調べるよう命じている。

 トランプ氏の提案の一部は、異議申し立てがなされなければ即座に発効する可能性があるが、訴訟に発展する見通しだ。専門家によると、特にFCCは迅速に、早ければ今夏中にも行動を起こす可能性がある。

<大統領は現行法の斬新な解釈を命じることができるか?>

 「端的に言えば、答えはノーだ」とジョージタウン大学の憲法擁護・保護研究所のジョシュア・ゲルツァー所長は語る。同氏はホワイトハウスと司法省で法務担当官を務めた経験がある。「一般的に、連邦法が何かを意味すると大統領が単純に決めることはできない」という。議会が法を定め、大統領率いる政権は議会が記した通りに法を施行し、管理する。連邦裁判所は法の解釈に最終判断を下す。

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