COVID-19の臨床検査
COVID-19の臨床検査を行うボカ・バイオリスティクスのスタッフ Photo:Rose Marie Cromwell for The Wall Street Journal

 血液ビジネスが当たっている。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗体検査の開発競争を背景に普段は人目に触れることのないこの商売がにわかに注目を集めている。抗体検査は人の血液を使って、新型コロナに感染したかどうかを判定する。世界各地で経済活動を停止させたロックダウン(都市封鎖)を緩和するには、検査が鍵を握るとみられている。

 ただ、需要の急増は血液ブローカーと呼ばれる業者に追い風になるものの、臨床検査を手掛ける企業はCOVID-19の回復患者の血液が高額になり、検査を開発する妨げになっていると指摘する。

「まともな相場で陽性検体を入手するのが大変だった」とエピトープ・ダイアグノスティクス(米カリフォルニア州サンディエゴ)の業務マネジャー、ステファニー・レナート・ダレゾッテ氏は述べた。同社はCOVID-19の抗体検査キットを販売している。「人々が現在の状況につけこんでいるようだ。すさまじい需要があるので、それに乗じることができるからだ」

 感染症の回復患者から採取した抗体を含む血液は回復期血漿(けっしょう)と呼ばれるが、あるブローカーは回復期血漿1ミリリットルを1000ドル(約11万円)と見積もったという。

 臨床検査を手掛ける他企業も、1ミリリットルの血漿に数千ドルの見積もりを出されたと述べている。

 こうした企業は緊急使用認可の要件を満たすために、少なくとも十数の検体を必要とする。企業によっては、検査の精度を高めるため数百の検体を入手したがっている。