トランプ「対中国フェイク“口撃”」はイラク戦争前の状況に酷似している会見に臨むトランプ大統領(中央)とポンペオ国務長官 Photo:Alex Wong/gettyimages

中国の新型ウイルス「隠蔽工作」
批判し続けるトランプ大統領

 新型コロナウイルス蔓延の責任を巡り、米中関係は険悪化している。

 トランプ大統領は4月30日の記者会見で、「中国に賠償金を請求することを検討中だ」と述べ「武漢のウイルス研究所が発生源との証拠は見たのか」との問いに対し「そうだ、見た」と答えた。

 5月7日には、FOXニュースで「非常に強力な報告書が出るだろう。決定的なものだ」「彼ら(中国人)は過ちを犯しそれを隠そうとした」とも語った。

 同じ日、ポンペオ米国務長官もABCテレビで「武漢の研究所から出たものだという多くの証拠がある」と述べた。

 新型コロナウイルス問題で、トランプ氏は「中国の隠蔽により被害が拡大した」と執拗に中国批判を続けている。安全保障担当の大統領副補佐官が、情報機関に対し武漢のウイルス研究所が発生源との証拠を探すよう指示した、との報道がある。

 一連の動きは2003年3月に米国がイラク攻撃をする前の状況に似ている。