「病態」血液は多くの場合、検体当たり(通常およそ1ミリリットル)の価格が数ドルから数百ドルで、疾患の希少性や調達の物流管理によって価格が異なる。
例えば、世界のへき地でしか発生しない熱帯病の抗体を含む血液は、C型肝炎のようなありふれた病気にかかった血液よりはるかにコストがかさむ。臨床検査会社やブローカーによると、1ミリリットル当たり1000ドルを超えるのは、たいてい希少疾病のものだけだ。
COVID-19から回復した患者の血液は、検体検査の開発と販売に欠かせない。米食品医薬品局(FDA)は、ウイルスが世界に広がって以降、米市場にあふれた精度の低い検査製品の多くを取り締まり、新たな検査キットに対し販売前の審査を義務付けた。これを受け、血液に需要が殺到することになった。
検査の精度を見極める唯一の方法は、COVID-19の抗体を含む血液サンプルと、抗体のないサンプルのそれぞれに対して試験をすることだ。FDAは現在、COVID-19の抗体検査で緊急使用認可を得るために、少なくとも30の陽性検体と75の陰性検体に対して試験することを検査企業に義務付けている。
病院のほか、米国赤十字社など非営利の血液バンクに回復患者が献血した分は通常、COVID-19の重症患者に対する実験的な治療用に保管されるため、臨床検査業界は他の調達先を探さなければならない。
そこで血液ブローカーが活躍することになる。一部ブローカーは、血漿の提供者に見返りを支払う献血センターを運営している。また、試験室で使用済みの血液で、医療廃棄物として処分される予定の残余血液を購入するブローカーもある。試験機関は残余血液の希少性いかんに関わらず、一律料金を課す傾向にある。廃棄コストを削減できることが主要な恩恵となるからだ。ブローカーや臨床検査会社の幹部によると、時として金銭は一切絡まず、試験用品との物々交換になることもある。
ドイツの供給業者バイオメックスは、既存顧客からの血液への需要は供給を上回ると明かした。



