緊急事態宣言が解除
全国で緊急事態宣言が解除されたが、早速第2波が懸念されている Photo:Bloomberg/gettyimages

新型コロナウイルス感染症による経済コストは大きい。感染拡大阻止のために、感染者かどうかにかかわらず、人との接触を8割削減するため、経済活動がストップしてしまうからだ。では、感染者を見つけ出し、隔離して接触を削減することで、感染拡大阻止は可能なのだろうか。その場合の経済コストはどうなるのだろうか。検査の精度やコストから算出を試みた。(名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰、経済金融アナリスト 吉松 崇、高崎経済大学教授 佐藤綾野)

全員が接触8割削減をせず
感染者のみ隔離することは可能か

 新型コロナウイルス感染症対策として、接触の大幅な削減が行われている。この感染症は、人から人へと感染するのだから、人と接触しなければ感染者が減少するのは当然である。実際、人との接触を8割削減する自粛政策によって、全国の新規患者数は4月11日のピーク時の708人から、現在(5月27日)38人にまで低下している。

 しかし、接触削減の経済コストは大きい。ESPフォーキャスト調査のコンセンサス予想(5月14日)では、2020年度の実質GDP成長率はマイナス5.39%である。つまり、新型コロナによる経済的損失は名目GDP554兆円(2019年)の5.39%、ざっと29.9兆円ということになる。

 新型コロナ対策の20年度補正予算一般会計総額が約25.7兆円である。25.7兆円の予算を使っても29.9兆円のマイナスになってしまうのだから、新型コロナのコストは両者の合計で55.6兆円である。さらに、第2次新型コロナ対策補正予算を追加しなければならない。

 コロナ禍の損失が大きいのは、人と人とが接触するのを削減し、主としてサービスの生産も消費もできなくなってしまうからだ。そうであれば代わりに、感染者を隔離して接触を削減すれば良い。この簡単なアイデアは実行可能だろうか。