YKK ファスニング事業本部
「善の巡環」をひた向きに実現。
若手を海外に送り出す
松嶋耕一 取締役 副社長
ファスニング事業本部長
YKKの創業者が唱えた「善の巡環」という精神。これは「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という考えである。同社では、その精神と経営理念、コアバリューを社員に深く浸透させるため、「経営理念研究会」をつくり、さらに「経営理念浸透活動」を行っている。
その活動が、主観正義性の実現に向けて本気で取り組んでいると、高い評価を得た。具体的には、理念の実践について語り合う「車座集会」「語らいの場」や、世界規模で展開する「4万人社員フォーラム」など、数々のユニークな活動を行っている。
理念の浸透に力を入れる理由について、同社の松嶋耕一副社長は「YKKグループには全世界に4万6000人の社員がいて、さまざまな価値観があり多様化が進んでいる。その会社をまとめるには、全事業を貫く精神的な支柱となる理念の浸透が必要なのです」と説明する。
もう一つの評価ポイントは、社員が自律的に成長できるよう、若いうちから積極的に海外に送り出し、実力以上の業務にチャレンジさせる風土である。新卒の約7割が入社6~7年(早ければ2~3年前後)で海外赴任を経験し、長年海外で働き続ける。
「私自身も若い頃にイタリアに赴任し、言葉も分からないうちから現場の仕事を任されました。海外では裁量範囲が広く、責任も重くなります。当社には“土地っ子になれ”という言葉があり、ローカルスタッフと一緒に汗水を流す文化があります。結果的に私もその時期に一番成長しました。若手に積極的に挑戦させるのは、当社のDNAなのです」(松嶋副社長)
同社にはチャレンジの環境を求める人材が集まり、試練を乗り越えた社員が強い組織をつくる。
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