資生堂
裁量権の拡大や学べる仕組みで
若手の力引き出す
資生堂
青木 淳 常務
青木 淳 常務
資生堂は約150年の歴史を持つ化粧品メーカーだが、老舗大企業がイノベーションを起こす風土へと変革し、他の大企業も見習う点が多々あると、「人財輩出性」を審査員から高く評価された。
変革は2014年4月に社外から魚谷雅彦社長が就任して始まった。事業を再び成長軌道に乗せるべく舵取りを託された。新社長は中長期計画「VISION 2020」を打ち出し、大変革に着手。企業理念も「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」に刷新し、全世界の社員が参加した社内での「BEAUTY INNOVATION CONTEST」の実施などで、理念の実現に向けて全社一丸となる風土が醸成された。
「人事面ではまず『部下の心に火を点ける』上司をつくろうと、社長を含む役員や後継者たちにリーダーシップスタイルの再考を促すアセスメントを実施しました。また、『世界中の若者が憧れる企業』を目指し、『個』の力を強くするをテーマに若手の裁量権を拡大、手を挙げれば海外研修などに参加できる『Future Leader Program』を新設して、主体的に学び、鍛えられる仕組みを整えました」
そう語るのは、青木淳 常務だ。
グローバルで展開するブランド「SHISEIDO」を象徴する人気の美容液「アルティミューン パワライジング コンセントレート」
中途採用も新卒と同数程度に増やし、新しい意見や価値観を取り入れる多様性のある、People firstの組織にした。その変革が功を奏し、19年は決算では売上高、営業利益共に過去最高を達成している。
「この賞は、審査員の方々などが役員や社員にインタビューを実施し、多角的な観点から評価された結果ですし、成長志向の高い企業と肩を並べての受賞という点も大変うれしいです」と青木常務は喜びを語る。