生命保険の相互扶助の精神を障がい者雇用に生かす

社員数増加と
仕事の多様化をめざす

ニッセイ・ニュークリエーション
相井弘幸
業務第二部担当部長

 だが、新たに課題も生まれていると余部社長。

「近年は精神障がい、知的障がいのある人が増えていて、安定的に働いてもらうためにもきめ細かな心のケアがより大切になっています。今年2月に完成した新社屋は過去の知見の蓄積を生かした設計を行い、身体の問題についての合理的配慮(負担が重過ぎない範囲で対応をすること)は理想形になっていると思います。しかし、精神障がい、知的障がいのある人については知見を蓄えている段階のため、なるべく早い段階で合理的配慮のレベルを上げることが課題の一つです。もう一つは、障がい者が持つさまざまな能力を生かすために、「仕事内容にバラエティーを持たせつつ、高度な仕事も定型的な仕事もつくっていくこと。この二つの実現をめざします」

 NNCの従業員は351人(2020年4月1日現在)。そのうち障がいのある人は307人。NNCは今後、どのような会社に発展していくのだろう。

「障がいのある社員の数を23年までに375人に増やすことと、一人一人が働くことに生きがいを覚えて幸せになることを目標としています」(余部社長)

一般事務では保険関係の書類を作成したり、専用端末を使ってオンライン業務を行う(左)
車を使った営業活動も行っている。新社屋には屋根付き駐車場が完備(右)

 目標は売上高や利益の成長ではないのだ。障がい者ファーストを基本に考える経営陣の理解に対して相井担当部長は「感謝の気持ちを忘れずに、後輩たちへつないでいきたい」と話す。

 障がい者、健常者の区別なく働ける会社の理想の形がここにあった。

問い合わせ先

日本生命保険相互会社
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