リーディングカンパニーとしての責任
最近では、産学連携で未来型住宅の研究にも取り組み始めた。今年6月に大阪市立大学、大阪府立大学と共に「スマートライフサイエンスラボ」を立ち上げ、ウエルネス・スマートハウスの共同研究を開始した。沖縄県宮古島では、人工光合成技術による「IGパーフェクトエコハウス」の実証実験もスタート。これは二酸化炭素から生成する水素で発電するという試みで、ゼロエネルギーハウスのさらに上を目指すものだ。
市場シェアが高い飯田グループの動向は、住宅建設業界全体に影響を与える。今、企業の社会的責任としてSDGsへの対応が求められているが、飯田グループが創業時から取り組んできた、より多くの人が安全で高品質な持ち家で暮らせる社会の実現を目指した事業そのものが、すでにそれに当たり、これまでの事業の延長線上に、持続可能な社会の実現があるのではないだろうか。
「業界のリーディングカンパニーとしての自覚を持ちながら、今後も環境負荷低減に力を入れていきたい」と西河社長は力強く語った。
産学連携で未来型住宅の創造に取り組む
大阪市立大学、大阪府立大学との「スマートライフサイエンスラボ」で共同研究するのは、未来型住宅「ウエルネス・スマートハウス」の実現だ。生活空間で健康データを収集し、AIなどで解析することで未病維持につなげ、住宅が自律的に適切な健康アドバイスを行う未来の住空間だ。一方、大阪市立大学と共同で実験を行う宮古島の「IGパーフェクトエコハウス」は、太陽光エネルギーから水素を作り出し、発電給湯を行う技術の確立を目指す。従来の太陽光発電では、雨天時や夜間の電力供給のために蓄電池が必要だったが、人工光合成技術では太陽光エネルギーで蟻酸を作ってタンクに貯蔵、電気が必要なときに蟻酸から水素を生成して発電するため、効率的な発電が可能になる。飯田グループでは、この人工光合成技術によって、新時代の二酸化炭素消費型住宅の完成を目指している。