独立系ホテルを束ねて
スケールメリットを生かす
(Android版、iPhone版共にあり)
Aカードが本格的に営業を開始したのは08年。「スマイルホテル」ブランドを展開するホスピタリティパートナーズグループが、M&Aによって同事業を引き継いでからだ。
「ビジネスホテルはチェーンホテルというイメージがありますが、国内ビジネスホテルの7、8割は、1ホテル1経営の独立系ビジネスホテル。単独では零細資本のホテルでも、Aカードというポイントシステムで結束し、出張ビジネスパーソンを囲い込めば、大手チェーンホテルに対抗できる勢力になり得る。その市場構造に着目して、営業に力を入れてきたのです」
同社のポリシーは、加盟ホテルの設置を「1エリア(1商圏)1ホテル」に限定していること。ホテルとの信頼関係を損なわずに、リピーターの獲得に協力する。ちなみにAカード会員の出張に伴う宿泊数は、過去12年間で1人当たり年間平均38泊程度だという。
「今、日本のホテルの宿泊需要の約8割を占めるのは日本人客。その中でも出張ビジネスパーソンを顧客にすることは、ホテル経営の安定化につながります。今回のコロナ禍でも、医療・技術関係者など、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人々の出張の需要はあまり減少していません。インバウンドによる集客は魅力ですが、同時にリスクも高い。年間38泊する出張ビジネスパーソンを取り込めば、38人の団体客を取るのと同じ効果があるのです」
もともとAカードのシステムに従えば、値下げ競争に加わる必要がないため、客室単価の維持に役立つという利点もある。さらに同社では加盟ホテルに向けて、スケールメリットを生かして入会促進のサンプリング商品やノベルティーの提供、アメニティーやホテル備品の共同購買サービスを実施するなど、経費面でも加盟ホテルの経営に貢献している。
「今後は、独立系ホテルのリブランドや事業承継などの相談にも積極的に応えながら、出張ビジネスパーソンと独立系ホテルの両者から、愛されるインフラとして成長を続けていきたい」と語る内藤社長。矢を束ねて強みを出す。その成長は必然ともいえる。
株式会社Aカードホテルシステム
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